エステルドバロニア
[戦闘力皆無][王様無双][勘違い][崇拝][エルフ][残酷描写][性描写][コメディ][シリアス]
作者:百黒
VRMMORPGが流行る世の中で、その男はVRMMOの“戦略シミュレーション”の世界に閉じ込められた。外は異世界。周りは強力な魔物。国家エステルドバロニアの躍進と、非力な人間の王の苦悩が始まる――。 3章開始。
主人公 ★★★★☆
サブキャラ ★★★★★
王 様 ★★★★★
物 語 ★★★★☆
文章構成 ★★★★★
VRMMO異世界転生ものです。魔物を率いて世界を侵略する戦略ゲームの最中、事故で死んだ主人公はゲームと同じ世界で目を覚まします。
王とはいえど、体は非力な人間である主人公。一方、ゲームとは違い自我を持った魔物の部下たち。謀反や反乱でもおこされたら一溜まりもない現実。主人公のビクビクハラハラ生活と魔物たち、そして異世界の住人から見た勘違いが面白い作品です。
サブキャラも立っているので、主人公への忠誠っぷりとかガクブルっぷりが本当楽しいです。
果たして主人公・王様カロンは、国家至上、戦乱上等の魔物を率い、人間と平和な外交が持てるのか!?
【WEB版と書籍版の違い】2019.11.28.
主人公カロンのヘタレっぷりが減っていて、魔物たちの生活の様子が多く、より愛着が沸くような感じになっています。ほのぼの感が強くなった感じですね。
作者があとがきで、自分の作品で同人誌を書いているようだったと書いていたのがうなづける仕上がりだと思います。最後に短編書きおろしもついていて、一度WEB版を読んだ方も楽しめると思います。
ただこの巻では、まだ外部との接触がなく、初めて読む人にとっては導入部を抜けないので物足りないかもしれません。
久しぶりにWEB版も読み返したところ、全体的に改稿されていて、より読みやすく、矛盾がなくなっていて驚きました。しばらくあった更新停止期を抜けた後の話も、描写力がかなり上がっていて、場面が目に浮かぶようです。できればアニメで見てみたい!と思いました。コミカライズもするそうなので楽しみです。
9 脅威
“王の側近として側に控え、傅くことなく右隣で助言をする立場と、声を不用意にかけることもなく王に顔を向けることもできない他の連中との差を見せつけているのだ。
当然、カロンをチラ見していた団長達の目に留まり、カロンの咳払いに紛れて複数の舌打ちが所々から聞こえた。
「教皇。確かエイラ、と言ったか」
「は、い。ご尊顔を拝謁賜り、恐悦至極にございます」
「そう堅苦しくならなくてもいい。緊張しているのか? それとも、怯えているのか?」魔物達に。
「す、少し圧倒されております……」
それを従える貴方様に。
「なに、同じ目的を持って動いていたのだから、手出しはせんさ」
魔物達が。
「今後も、そうであってくださればと、思います」
貴方が。
微妙に噛み合っていない2人だが、会話は成立しているので良しとしよう。
》 小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ
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