なろうダラ読み感想記

主に『小説家になろう』で面白かったWEB小説の感想をぼちぼち。コメディ・アクション寄り。俺TUEEEとかノリがいい物多めです。良い厨ニ大歓迎。

誰にでもできる影から助ける魔王討伐 [カクヨム]

※※第1回カクヨムWeb小説コンテスト で大賞を受賞されています。
[主人公最強][効率主義][僧侶][力技][特殊異端殲滅教会][シリアス][コメディ][残酷描写]

誰にでもできる影から助ける魔王討伐
誰にでもできる影から助ける魔王討伐

作者:槻影

魔王クラノスが人類に宣戦布告して十年。
強大極まりないクラノスの軍に劣勢に立たされ、退っ引きならない状態に陥った王国は教会の持つ禁断の秘奥、英雄召喚の実施を決定した。

召喚された聖勇者、藤堂直継の栄えあるパーティメンバーにプリースト(ヒーラー)として選ばれた俺は、残りのパーティメンバーとして選ばれた二人、魔導師と剣士が原石であり、まだ第一線で戦える実力にない事に気づく。
果たして俺は魔王からの尖兵をしのぎ切り、勇者とその仲間達をレベルアップさせることはできるのか!?

主人公    ★★★★★
サブキャラ  ★★★★★
世界設定   ★★★★★
物 語    ★★★★★
文章構成   ★★★★★

 

ひたすら僧侶(プリースト)のアレスが苦労と忍耐を重ねるお話。
勇猛というより無謀…をさらに突き抜けて暴走を続ける勇者と、世間知らずのお嬢様メンバーからなる魔王討伐。
もはや口から出てくる言葉は神への悪態と、上司への愚痴(報告)のみ。
果たしてアレスはポンコツ勇者を真の勇者へと変えられるのか?

メイスを片手に胃薬・頭痛薬要らずの最強ヒーラーが、フルボッコしつつ奮闘しますw

すでに書籍化している『堕落の王』の作者さんだけあって、面白楽しいです!!
キャラクター描写が相変わらず素晴らしい! 

 

Prologue:集まる英雄たち

「アリア・リザース。剣士だ。流派はミクシリオン流。まだまだ修行中の身だが、魔王討伐の一員として選ばれて光栄だ。何分迷惑をかけるかと思うが、よろしく頼む。レベルは20だ」

「お父さんは剣王ノートン・リザース?」

 胸をガン見しながら質問する。いや、ガン見したくないのだがどうしてもそちらに視線が……
 アリアは自らの胸を隠すかのように腕でかき抱き、強めの口調で答えた。

「ああ。だが、父と私の実力とは無関係な事だ。偉大な父だとは思っているし、尊敬もしているが私と接する時は一人の人間として接して欲しい」

「……ああ」

 何だこのメンバー。悪意が見えるぞ。

 剣王の娘でレベルが20? 中堅レベルじゃねーか。
 親父連れて来いよ、親父。しかも、剣王の娘なのにプラーミャ流剣術ではなくミクシリオン流。
 剣術の二大流派とはいえ、プラーミャ流の最高師範が父親なのに異なる流派を選んでいる辺り、どこか臭う。
 あのたった一人で魔族の軍勢数百と対等に戦ったという馬鹿げた伝説を持つ剣王の実子だ。才能自体はあるんだろうが、魔王を討伐するという重責を負うには……弱すぎる。

 貴族の第三子に剣王の娘。
 勇者のレベルが低いのは仕方がないといっても、やる気がないと判断せざるを得ない。
 三人の平均レベルが15、15である。王都で探してもそれより平均レベルが高いパーティはいくらだっている。
 そして、それら長年、魔境を探索して研鑽したパーティが手も足も出ないのが魔王という存在なのだ。

 いくらなんでも、この平均レベルで魔王討伐は自殺行為のようにしか思えない。

 俺がレベルを聞いて水を差したのが悪いのか、リミスがつり上がった目つきでこちらを見上げた。

「で……あんたの自己紹介は?」

「すいません、ちょっと電話してきていいっすか?」

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