ヘヴンズ・コンストラクター
[SF][仮想現実][神][自然科学・医科学][ほのぼの][コメディ][シリアス]
作者:高山 理図 / Lizreel
西暦2133年。人々は仮想現実によって死後の楽園を造り出し、死を克服していた。そんな近未来日本で、厚生労働省の新米技官が仮想世界管理者として神様役を演じつつ、国民の皆様に親しまれる独創的ヴァーチャルユートピアの構築を目指すお話。 現実世界と仮想世界を両面から描くサイバーパンクです。 科学内政系ほのぼのコメディ、時々シリアス。
(旧題:ヘヴンズアンダーコンストラクション)
主人公 ★★★★★
サブキャラ ★★★★☆
世界設定 ★★★★★
物 語 ★★★★★
文章構成 ★★★★★
最初から最後まで目が離せない物語です。
グイグイひっぱられるというか、先が気になって仕方がない!
千年牢獄勤務なスーパー公務員という設定からしてとんでもないのですが、展開も半端ないです。いきなり住民全滅フラグが立ったり、1年間磔になったり、仮想世界不正アクセスくらったり。そして何気にリアル世界でもピンチ!知らないところで身柄を売買されかけてたり、テロの陰謀が~っ。
とはいえ、主人公の赤井さん(芸名)が超ポジティブシンキングなお陰で、ほのぼの調です。鬱展開はないですね。ハラッハラ、ドキッドキ、ギャーはありますが(笑)。
恋人の彼女とはハッピーエンドを迎えて欲しいものです。
第2章 第4話 赤井さんのもとへ、想いは風に乗って◆
”キリスト先輩、お元気ですか? 神として磔もやったことないなんて、まだひよっこですよね……”
彼はとうとうそんなことを思う。
”あなたみたいに徐々に経験詰んでいこうと思いますよ……でも最初は辛い。最大負荷は知ってるけどここまで持続的だとさすがに辛い。こんな筈じゃなかった。……苦しい……でもだめだ、辛い顔はできない”
グランダの民が、城壁を見上げては暴言を吐く。
民たちと何とか会話をしよう思っても、彼らは耳を塞いで通り過ぎる。
”これ、本当に仕事なんだろうか。この世界はヴァーチャルで、本当にこれは構築士の仕事? ただの悪夢だ……”