なろうダラ読み感想記

主に『小説家になろう』で面白かったWEB小説の感想をぼちぼち。コメディ・アクション寄り。俺TUEEEとかノリがいい物多めです。良い厨ニ大歓迎。

聖贄女のユニコーン 〈かくて聖獣は乙女と謳う〉

[ハイファンタジー][女騎士][中世風][自殺部隊][気功][魔導][残酷描写][シリアス]

かくて聖獣<ユニコーン>は乙女と謳う 1 (オーバーラップ文庫)
かくて聖獣<ユニコーン>は乙女と謳う 1 (オーバーラップ文庫)

作者:陸 理明

 西方より大陸を蝕む自然現象〈雷霧〉。内部に魔力を秘めた雷を稲光らせ、異形の魔物が跋扈する黒い霧は、次々と大陸の国家を飲み込み、人々を追いやっていく。〈雷霧〉を止めるただ一つの手段は中心にある〈核〉を破壊することのみだったが、それを成し遂げることができるのは、魔力を弾き返す聖獣ユニコーンとその乗り手に選ばれた少女たちだけであった。だが、功績と引き換えに彼女たちのほとんどは生きて帰ることができない。しかし、彼女たちの指揮をとる将軍オオタネア・ザンが切り札となる一人の青年を投入することで状況は一変する。そして、そこから青年と少女たちによる護国の戦いが幕を開くのであった。

主人公    ★★★☆☆
サブキャラ  ★★★☆☆
自殺部隊   ★★★★★
物 語    ★★★★☆
文章構成   ★★★★☆

 

書籍化した表紙を見ると、ポップで可愛いんですが、内容は俺の屍を越えて行けぐらいのハイファンタジーです。女の子たくさんというか、女の子しか出てこないんですけど、私にはマッスル隆々の漢の集団しか幻視できませんでしたw
なろう史上最も低い評価ポイントで受賞、書籍化という話もうなずけます。
なろう民の好みじゃないんですよ、この作品。

ただ、受賞・書籍化という評価は正当だと思います。
それくらいに「戦記」としては面白いです!

超常現象〈雷霧〉に突撃するユニコーンの女騎士団。
出てくる魔物をものともせず、例え仲間が倒れようとも歩みを止めない。
ただ〈雷霧〉の核を破壊するという目的の為だけに、自殺部隊という汚名を着せられようとも進軍し続ける。
ユニコーンの少年騎士とともに――。

 

【WEB版と書籍版の違い】

エピックファンタジー、叙事詩的な側面を強めて、ガッチリハードカバーでもいいような気もするんですが、ラノベとして出版されているので、書籍版はややソフトに表現が変わっています。原作ではあまりなかった人物描写も、ちゃんとキャラクターとして加筆されていました。アマゾネスが「女の子」になるくらいにw いや~、損耗率80%で第八期まで全滅してたのに、心配が馬乗れるかなくらいしかないとかおかしいしw 本当、加筆されて良かったです。編集すごいなぁと思いました。ほぼ別物の感ですね。全面改稿されてむしろ取っつきやすくなったと思います。

 

小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ

 


おすすめ小説

堕落の王

[主人公最強][引きこもり魔王][怠惰スキル][頑強チート][コメディ][残酷描写]

堕落の王 (ファミ通文庫)
堕落の王 (ファミ通文庫)

作者:槻影

気がついたら異世界に転生していた。
寝ていたらいつの間にか望んでもないのに魔王になった。
働かなくていいなんてこの世界、最高じゃないか。きっと日頃の行いがよかったからに違いない。
怠惰の味は蜜の味。栄光、勤勉、貞淑、名誉など興味もない。
堕落の王とは何を隠そう――この俺の事だ。

主人公   ★★★★☆
サブキャラ ★★★★★
怠 惰   ★★★★★
物 語   ★★★★☆
文章構成  ★★★★☆

 

怠惰アケディアの魔王レイジィと強欲・色欲・憤怒・暴食・嫉妬・傲慢の悪魔のお話。
各章が七つの大罪の一つを司った悪魔視点になっています。
本人視点より、各キャラ視点のツッコミ&こき下ろしが面白いです。

それにしても前作のテイマーもそうだったんですが、異常性を書かせたらこの作者の右に出るものはいないですね~。正直、メイドさん消し炭事件はかなりヤキモキというか、衝撃でした。お約束的な展開がありえないとか!読者の心を揺さぶるのがホント上手いです。もちろんその後のリターンバックも最高w 怠惰の魔王らしいww

 完結記念にジェネレーターで各キャラ作ってみたったw ※イメージが崩れる恐れあり

 

【WEB版と書籍版の違い】

スキルや魂核の説明が足されて、より読みやすくなってます。
初刊は、第一部丸ごとだと思っていたのですが、暴食(グラ)までだったんですね。
キリもいいところなので、大満足でした。
イラストは人の好みそれぞれなので、なんとも言えませんが、デジがちゃんと悪魔アクマしているのは良かったかな、と。それよりレイジィのだらけたイケメンスタイルの方が気になってwww いえ、普通に元サラリーマンの兄ちゃんなんで間違いないんですけどw

 

第三話:別にニートなわけではない

“この世界は全てがパラメータでできており、それによって明確な格差ができる。面倒な事だ。

 そして仮にも魔王である俺のVITはやたらと高かった。女の攻撃は尽く俺のVIT判定に阻まれ、俺の身体には赤ん坊に殴られる程のダメージもない。
 そりゃ眠くもなるもんだ。
 しかし鬱陶しい女だ。こいつの属性は一体何なんだ?
 ほんの少しだけ興味が沸いた。

「お前、属性は……」

 そこで俺はため息をついた。ごろりと寝返りを打って視線をそむける。

「と・ちゅ・う・で・と・め・る・なあああああああああああ!」

 本当にやかましい奴だった。俺はそこまでお前に興味がない。
 口を開くことは開くんだが、途中でどうでもよくなるのだ。
 女の脚が無防備な俺の体幹を踏み抜く。顔をまるでサッカーボールのように蹴っ飛ばし、剣が俺の頬に押し付けられた。
 刃物まで出してくるんじゃねえ。何も言うつもりはないが……
 数分後、散々身体を動かして疲労困憊の大魔王の手下とノーダメージの俺だけが残った。

「はぁはぁ……この男……分かっていたけど……か、硬い……」

 当たり前だ。VITが高くなければ周囲に邪魔をされて眠れない。
 俺のVITはやたら高く、高温、低温、毒、麻痺などありとあらゆる属性、状態異常に極めて高い耐性がある。
 別に生まれつきそういうわけではない、魔王のクラスが持つスキルにそういうスキルがあるのだ。
 まぁ詳細は面倒なので今は省くが。

 女が愕然と自身の手の平を見る。

「これが……『怠惰』の魔王……」

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 同作者作品

Tamer's Mythology

[魔物使い][元SSS級][俺YOEEE][あらすじ詐欺][ミステリー][コメディ]

作者:槻影

初めまして、僕の名前はフィル・ガーデン。グラエルグラベール王国近郊で活動する魔物使いだ。いや、だったというべきかな。
栄光を求め、十中八九負けないと万全な状態で魔王に挑んだ僕は、その想定外の異常な強さに完膚なきまでに叩きのめされ、自慢の武器を失い、遥かに遠い異国の地に飛ばされる事になった。絶対に……魔物使いのプライドに掛けて、探求者のプライドにかけて、魔王にリベンジするために奮起を誓った、そんな他愛もないお話。

主人公    ★★★★★
サブキャラ  ★★★★★
伏線注意   ★★★★★
物 語    ★★★★★
文章構成   ★★★★★

 

実はぶっちゃけ後半からミステリーものになります。
魔王?しぃら・ぶらっくろぎあ?なんぞそれ?というぐらいに話が反転します。
なろう小説では珍しい、伏線というものをしっかり回収し、消化した作品です。
もし途中でこの伏線を作者の技量のなさや設定ミスだと思って切った方は、とても惜しいことをされましたね~。最後のあのどんでん返しは、分かっていても息が止まりました。
特に駄スレイブのアムちゃんの悪い冗談なんて!あの流れ、あの場面で!…読者を殺すつもりなんですかね?

主人公のキャラもすごく魅力的でした。マッドで、ペテンで、鬼畜なタラしで、
………って、いいところがないんですが、この狂人的な愛、もしくは妄執にも似たセオリーこそがこの作品のベースなんだと思います。

聞きなれない独自の種族設定も、話の中に上手く組み込まれていて、とても面白かったです。ちなみに人間は主人公+他2人しか出てきません。激弱最弱種族w

テイマーさんの第二部が楽しいので、調子に乗ってこっちもジェネレータで作ってみた。 ※イメージが崩れる恐れあり

 

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おすすめ小説

同作者作品

セブンスブレイブ ―チート?NO!もっといいモノさ!

[金持ち国家][主人公あとから覚醒][ニート道][腐士道][プリンセスジョーク][コメディ][パロディ][シリアス]

セブンスブレイブ
セブンスブレイブ―チート?NO!もっといいモノさ!

作者:乃塚

  世界を南北に分かち、魔族と人間とが長らく戦争を続けている世界、『大陸』。そんな戦争を終わらせる切り札として、召喚された7人の高校生達。破格の報酬と待遇を代価とし、その切り札――『勇者』となることを受諾した彼等は、各々与えられた強大な力で以って、目的は異なれど、同じ戦火へと身を投じて行く……。

(旧題:七星の勇者部隊)

主人公      ★★★★☆
サブキャラ    ★★★★☆
ビーストアッパー ★★★★★
物 語      ★★★★☆
文章構成     ★★★★☆

 

定番の勇者召喚モノです。
場面転換と話のテンポがすごく良くてサクサク読んでしまいました。
文章の引きも、「来る!」という瞬間をいい感じに引っ張っていて最高です!(誤字が多いのはスルー方向で)
さらに、コメディ展開でも伏線が張ってあるので油断なりませんw
シリアスがいきなり突っ込んできます。

 

あと、どうでもいい話ですが主人公の名前の「夜行」がどうしても東京レイ〇ンズの某土御門と被るので、あだ名の「ヤコ」の方の定着を~。

 

勇者のステータス

「自身の思う最高にカッコいいポーズを決めつつ、声の限り叫んで下さい。『オープン・ザ・ステータス』と」


 …………はい?

 クリュスの放った言葉は、夜行達の想像を遥かに超えていた。
 ナイフで指を傷つける、なんて程度の話ではない。7人全員が絶句する。

「……冗談、だよな?」
「マジですヤコウ様、私は冗談なんて言いません。この世界では常識です、町に出れば皆してポーズ決めまくりの叫びまくりですよ」

 明らかに嘘だ、と夜行は内心で叫ぶ。
 何故なら彼女の後ろに控える騎士達も、驚愕の表情になっていたから。そもそも、さっきプリンセスジョークとか普通に言っていた。

 しかし、その冗談を真に受け、且つ覚悟を決めてしまった人物が1人。
 千影である。

「ッ……お、オープン・ザ・ステータァァァァァァァァスッ!!!!」

 顔を羞恥で赤く染めながら、荒ぶる鷹の構えで千影が叫ぶ。

 ………………………………。
 ……………………。
 …………。

 10秒が経過。彼の持つパーソナルカードは、何の反応も示さない。
 夜行も雅近も他のクラスメイト達も、クリュスの後ろに居る騎士も、周囲から遠巻きにその様子を見ている者達も。
 誰もが気まずそうに、千影から目を逸らしていた。

「……うわ……冗談はさておき、カードを持って『ステータスよ開け』みたいなことを念じれば、普通に表示されます」

「伊達ぇぇぇぇッ! ヤコォォォォッ! 離せ、離してくれ! こいつだけは1発殴らないと気が済まねえッ!!」
「抑えるんだ、ちー君! 後ろのおじさん達が凄い勢いで頭下げてるから!」
「あんなでもこのボロ儲けを提供してくれた、謂わば雇い主! 報酬を貰うまでは耐えろ、鬼島!」

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