なろうダラ読み感想記

主に『小説家になろう』で面白かったWEB小説の感想をぼちぼち。コメディ・アクション寄り。俺TUEEEとかノリがいい物多めです。良い厨ニ大歓迎。

リバーステイル・ロマネスク

[VRMMO][生産チート][パーティ戦][魔法職9種/生産職10種][経験値1%][微ハーレム]

作者:旅籠文楽

 古倉時雨は12歳の頃から難病に身体を蝕まれ、入院生活を余儀なくされていた。ベッドの上で勤しむことは医療補助端末【カリヨン】を利用した読書と映像・音楽鑑賞ばかりの日々。そうした時雨の元に、ある日【カリヨン】の開発元であるカピノス社から訪ねてきたスタッフにより、睡眠時間を活用するVR-MMO-RPG〈リバーステイル・オンライン〉のモニター参加を依頼されて―――。
 灰色の現実世界の背面で彩られる、ゲーム内の世界〈イヴェリナ〉での物語。ゲームではあっても〝非日常〟では無くなっていく夢の中で、〝シグレ〟はもう一つの人生を歩き始める。

主人公    ★★★★☆
サブキャラ  ★★★☆☆
世界設定   ★★★★★
物 語    ★★★☆☆
文章構成   ★★★☆☆

 

なろうでは定番のVRMMOものです。某小説のようにデスゲームになったり、チート無双はありませんが、独特な世界観が面白いです。

大きく世界を揺るがすようなこともなく、ただ日常にも似た非日常を繰り返す冒険の日々は、奇しくも主人公の「時雨シグレ」という名前にも重なって、静かな期待感と高揚感に包まれています。
現実の時雨がリアルではできなかった恋愛や友情を、ゲームを通して得ていく様はどこか切なさと泡沫の夢を思わせる儚さがあって、できればこのまま長生きをして、ゲームでの人生を幸せに全うしてほしいと思いました。

唯一難点としては、文章で、「~だ」、「~である」などの常体の中に「~おられる」という尊敬語が混ざっているところに強い違和感を感じました……まぁ、頭の中で変換すれば万事OKですw

 

01. 世界の境界

「時雨くんは、恋をしたことがありますか?」
「……ありませんし、望むべくも無いことですね」

 時雨は即答する。
 自分もそうしたことを望んで良いのだと。未来に対して淡い期待を寄せていた頃というのは、疾うに過去に置き去りにしてしまった。

「入院しっぱなしの身ですから学校にも通っていませんし、他人との出会い無いも同然です。偶に病室から出ても、同じ階の廊下や休憩所で見るのは大抵がご老輩の皆様だったりしますしね。生活範囲の環境的に不可能です」
「では是非、〈イヴェリナ〉で恋をしてみませんか?」

小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ

 


おすすめ小説

神話伝説の英雄の異世界譚

[主人公最強][軍略チート][戦闘チート][精霊][貴族][妖怪首オイテケ][覚醒後豹変]

神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)
神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)

作者:奉

かつて少年は〝軍神〟と称されていた。
アレーティアと呼ばれる異世界で亡国を救った彼は、周辺諸国を征服することで一大帝国を築きあげるに到ったが、少年は全てを捨てる覚悟を決めて、記憶を失うという代償で現代に戻ってきた。
3年の時が経ち、日々を幸せに謳歌していた少年だったが、再び異世界に喚び戻される。
だが、そこは1000年後のアレーティアだった。
過去の栄光は〝神話〟となり〝双黒の英雄王〟と呼ばれた少年の〝伝説〟が幕を開ける。

主人公    ★★★☆☆
サブキャラ  ★★★☆☆
世界設定   ★★★★☆
物 語    ★★★★☆
文章構成   ★★★★☆

 

いったい何チート!?とツッコミたくなるほどチートっている主人公の軍神(マルス)再臨譚。
精霊剣《 天 帝(エクスカリバー) 》持ちで天精眼(ウラノス)持ちで眼帯、さらに二つ名は「黒皇子」だったり「独眼竜」だったりで、どんだけ中二を盛れば気が済むのかw
でも内容は意外と真面目に軍記もので面白いです。
貴族間の派閥争いや皇位継承権の争いも絡んでいて飽きさせません。

ちょっと気になっているのは主人公の中身年齢ですね~。
今16歳(今年17)で3年のブランクありだと13歳で帝国作り上げたことに……無理じゃね?
もしくは13歳から何年か異世界にいたとかで、戻る際に若返りとか?
そうすれば、いろいろ納得なんですけど、そうすると、なぜに戻ったときが戦場帰り状態だったのかと……うーん、これも何かの伏線で、この先明かされるんでしょうか。

 

【WEB版と書籍版の違い】

よりきれいにまとまっている感じで、内容は特に変更ないですね。
個人的にはアウラの『軍神』に違和感があったので、『軍神乙女』になっていて良かったかなと。イラストも表紙の通りで、挿絵でも美麗でしたv

神話伝説の英雄の異世界譚 特設サイト

 

第22話:暗雲

「ねえ、大丈夫かしら……? やっぱり籠城するのが一番じゃない?」
「いや、それは悪手だね。この要塞は外から見ても堅牢とは言い難い。長い間、敵の攻撃に晒されたら簡単に落ちてしまう」
「じゃあ、やっぱり一緒に戦ったほうがいいんじゃ?」
「そうだろけど、グリンダ辺境伯の兵士と、アウラの兵士じゃ練度が違うからね。一緒に戦った場合、足手まといになる可能性がある。だからと言って別々に戦えば各個撃破されるだけだ」
「難しいわね」
「相手と同じ数が揃えばそうでもないんだけど、今回はさすがにね」

 だが、たった2000で12000を打ち破るのは極めて難しい。
 指揮官が無能であれば即全滅だろう。
 だが、比呂は眼下に広がるアウラの奇妙な陣形を見て、口の端を吊ると笑みの形を描いた。

 2000の兵士は全て重装騎馬で構成されている。
 100人を1個として横一列に5個並ばせて、その後ろには500を1個とした本隊含む3個が並んでいた。
 このまま突撃なんてしたら愚の骨頂だろうが、

(なるほど……〝三つ叉トライデント〟を仕掛けるのか)

 懐かしい陣形を見た比呂は、本当にアレーティアに戻ってきたのだと実感が湧いた。

小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ

 


おすすめ小説

ある魔術師の手慰み迷宮行

[元最強][元魔術師ギルドのギルド長][転生][ダンジョン][空飛ぶちりとり]

作者:まいん

ある日、暇を持て余した、ある魔術師が呟いた。
「死にたい……」

これは<魔神>と呼ばれる程の力と長大な寿命を持っていた魔術師が、ふと呟いた呟きから始まるお話。

主人公     ★★★★☆
サブキャラ   ★★★★☆
手段は選ばない ★★★★★
物 語     ★★★☆☆
文章構成    ★★★★☆

 

元最強魔術師にして、魔術師ギルドのギルド長をしていた主人公フォウトが、
転生後の暇つぶしにダンジョン攻略をする話。

正直、転生前の俺TUEEE逸話が面白いので、肝心のダンジョン回はやや中だるみ感が出ています。とはいえ、ダンジョンを巡る各国の陣取り合戦や、主人公のフォウトを殺した謎の少年、未だにゴタゴタしている魔術師ギルド本部など、いろいろな伏線や題材は散らばっているので、これから再び盛り返してきそうです。
戦闘方法も地味ですが面白いです。棍を打撃武器 兼 杖代わりにって便利でいいですね~。

 

三話「現世復帰と再会を行う話」

“ここまで思い出して、フォウトはさらに二つの情報を思い出す。

 一つは、今現在自分達がいる場所についてである。

 「確かアイヴィのいる場所って……」

 「ええ、マスターがお作りになられた、壮大にして無駄の極みである粗大ごみ置き場……もとい、資料安置所として作成されました機動倉庫兼空中庭園である<フロートクラウド>でございますね」

 フォウトにとっては大して価値の無い代物であったとしても、世間に流通させてしまえば大事になってしまう製品や著書はそれこそ星の数ほど存在していた。
 それこそあまりに多すぎて、フォウト自身完全に全てを把握できていないくらいに。
 地上や地下のどこかに、施設を作ってその存在を忘れてしまった場合、間違ってダンジョン化した挙句に冒険者達に発掘されてしまいかねない危険性があった。
 実際、長いフォウトの人生の中で、比較的危険度の少ない施設ではあったが、すっぽりとその存在を忘れてしまった状態で若いダンジョンと直結、融合し、ダンジョンの若さの割に発掘されたアイテム類が危険すぎると話題になった施設がいくつかある。
 その度に火消しに奔走したフォウトであるのだが、いずれ本当に危険なことがおきかねないと言う可能性に気がついてから作成したのが、アイヴィが管理統括している空中庭園<フロートクラウド>であった。
 全長1kmに及ぶ巨大なこの施設は、上空4000mの高さを常に一定の航路でもって移動する世界唯一の空中施設であり、その膨大な許容量でもってフォウトの作品を収集、保管している。

 「別名<空飛ぶちりとり>でございます」

 フォウトの作品等をごみに例えて、それの収集にあたる施設だからと言う意味合いでの命名であるようだが、あまりの酷さにフォウトは顔をしかめる。

 「誰がつけたのその別名……」

 「私でございます。他にも<飛来する迷惑><馬鹿の玩具箱><巨大質量兵器>等ございます」

小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ

 


おすすめ小説

蘇りの魔王

[主人公最強][元魔王][魔導機械][魔導なのにSFっぽい][常に手加減][数千年後]

蘇りの魔王 1 (オーバーラップノベルス)
蘇りの魔王 1 (オーバーラップノベルス)

作者:丘/丘野 優

勇者に討たれ、その命を失ったはずの魔王ルルスリア=ノルド。
彼にはやり残したこと、解決できなかった問題がいくつもあったが、悪は滅びると言うお題目に従い、消滅したはずだった。
しかしどういう理由なのか、彼は奇しくも人間として二度目の生を得ることになる。
そんな彼が生きていく日々。

主人公     ★★★★☆
サブキャラ   ★★★★☆
好青年な魔王  ★★★★★
物 語     ★★★★☆
文章構成    ★★★★☆

 

ほのぼのテンションの王道ファンタジーです。
田舎から王都に出てきて冒険者となり、武道大会で活躍と定番の流れながら、それを読ませてしまう飾らない文章。そして元魔王という転生設定や魔族関連のことがとてもいい感じにスパイスになっていて面白いです。
一体魔王の死後どのようなことがあって、このような世界になったのか?神話にしか残らない魔族、衰退した人間の文明、消えた聖女と教会。謎が残ります。

 

作中では元魔王様も転生して少年になっているのですが、イリスの「おじさま」呼びに萌えるのは私だけでしょうか。こう、ルパンの某クラリス嬢みたいで二ヨッとしてしまいますニヨっと(邪笑)。

あと、魔王時代の剣聖との決闘ひどいですねww
俺TUEEEとかそういうレベルじゃないw 俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!
どうやってこんなのと相対したw むしろ、勇者よくぞ勝った!

蘇りの魔王 特設サイト

 

第8話 目覚めの時

“今や、ルルの手元で踊る魔力弾(マギア・グロブス)の数は数十を越えている。
 始め四つしかなかったそれは徐々に分裂していって、数をどんどん増やしていったのだ。
 今や、数だけではなく飛び回る速度も尋常ではなくなっている上に、どれ一つとして一度たりとも接触することなく綺麗に制御されている。

 魔族でも、相当な実力者でなければ出来ない所行であり、しかも、イリスはその数の魔力弾(マギア・グロブス)お手玉が出来る者を、たった一人しか知らなかった。

「……おじさま?」

 のどから絞り出すように出たそのか細い声は、ほとんど確信に満ちていて、だからこそルルはその年齢に似合わない、けれどかつて魔王だったとき何度も浮かべたどこか皮肉げな印象を人に与える微笑みを浮かべて言ったのだった。

「……イリス。おじさんが来たよ」

小説投稿サイト『小説家になろう』― 作品ページ

 


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